『この世』の作り方 Grokとの対話であばいた神の正体

『この世』の作り方 

はじめに:量子力学でミニ世界を創造する

このチュートリアルでは、量子コンピュータを使って「この世」に似たミニ世界をシミュレートするゲームの作り方を解説します。

AIのGrokとの対話から生まれたアイデアを基に、現実の完全再現ではなく、単純なルールから自律的に進化する独自の世界を設計します。現在の技術でも試せる規模に抑えつつ、現実の創造プロセスに似た実験を目指します。

目標は、開発者として初期条件を設定し、その後の進化を観察するシミュレーションを作ることです。


ステップ1:開発環境の準備 – 現実的な量子基盤

ミニ世界を構築するには、量子コンピュータの特性を活用します。以下の環境を準備してください:

  • ハードウェア: IBM Quantumの5〜10量子ビット規模のシステム(例:ibmq_manila)。現時点での現実的な選択肢です。
  • ソフトウェア: Qiskit(Pythonベースの量子プログラミングツール)をインストール。量子回路の設計とシミュレーションに使用します。
  • 前提知識: 量子ゲート(Hゲート、Rxゲート、CNOTゲート)と測定の基本を理解。チュートリアルはこれらを前提に進めます。

完全な宇宙シミュレーションは無理でも、小規模な系なら現在の技術で実験可能です。Grokとの対話で、「現実そのものではなくミニ世界で十分」と気づきました。


ステップ2:初期状態を設定 – 単純な世界の種を植える

複雑な現実を再現するのではなく、単純な初期条件から始まる独自の世界を作ります。5量子ビットの系を設計します:

  • キュービットの初期化: 5つのキュービットを |0⟩ 状態に設定。これは「まだ何も起こっていない世界」を表します。
  • 重ね合わせの作成: 各キュービットにハダマードゲート(Hゲート)を適用し、|0⟩ + |1⟩ の重ね合わせ状態に。これで各量子ビットが「可能性の種」(例:成功/失敗、存在/非存在)を保持します。
  • 進化の種: ランダムなユニタリ演算子(例:Rx(π/4)やRy(π/6))を各キュービットに適用。進化の方向性を与えますが、詳細な制御は避けます。

Grokとの議論で、「単純なルールから複雑性が自然に生まれる」ことが現実の創造に似ていると確認しました。ここでは自律性を優先し、放置の準備を整えます。


ステップ3:系を自律的に進化させる – ミニ世界の成長

ゲームを「系」として起動し、外部からの干渉を最小限に抑えて進化させます:

  • ユニタリ発展: 設定した演算子を繰り返し適用(例:10ステップ程度)。Qiskitで回路にループを組み込み、状態が時間とともに変化するようにします。
  • 相互作用の導入: 2〜3ペアのキュービットにCNOTゲートを適用し、量子もつれを発生。これで「要素間の関係性」(例:Aが変化するとBも影響)が自然に生まれます。
  • 放置の原則: 進化中に開発者が介入しない。Grokと話して、「クラッシュすればそれが世界の終わり」という現実的な哲学を採用しました。系が安定を失う場合、それがミニ世界の寿命です。

現実の宇宙がビッグバンから自律的に発展したように、この系も単純な種から独自の歴史を刻みます。


ステップ4:観測システムの設計 – プレイヤーの役割を定義

プレイヤーを「外部観測者」として設定し、系の状態を確定させます:

  • 測定の実装: Qiskitの量子回路に測定演算子を追加。各キュービットの状態を観察可能にします。
  • 観測インターフェース: シンプルなPythonスクリプトで、「観測開始」コマンドを実行すると測定結果を表示。たとえば、「量子ビット1: 0, 量子ビット2: 1」と出力。
  • 観測の制限: プレイヤーが結果を「選択」する機能は排除。あくまで観察のみで、系の確率分布に従った結果を受け入れます。Grokとの対話で、「選択は系との干渉になる」と確認済み。

観測はミニ世界の歴史を確定する瞬間です。たとえば、5量子ビットが「00110」になった場合、それがその世界の「状態」となります。


ステップ5:テストと評価 – ミニ世界の展開を確認

系を起動し、進化と観測をテストします:

  • 実験手順: 初期状態を設定後、10ステップ進化させ、観測を実行。複数回繰り返し、結果のバラエティを確認。
  • 評価基準: 各試行で異なる結果(例:00110, 11001など)が得られれば、系のランダム性と自律性が機能している証拠。
  • 終了条件: ミニ世界の終わりは以下の場合に発生します:
    • クラッシュ: 系がエラーで崩壊した場合、それがその世界の終焉。
    • 外部観測者の死亡: プレイヤーが観測を続けられなくなれば、系の状態確定が止まり、実質的な終わり。
    • 電源オフ: 量子コンピュータの電源が切れれば、ミニ世界の進化も停止。

これらの条件は、現実的な限界と量子力学の特性を反映したミニ世界のリアルさです。Grokとの会話で気づいたのは、「完璧さより実験性が大事」という点。クラッシュも含めて、このミニ世界のリアルさです。


ステップ6:スケールアップの検討 – より大きな世界へ

現在の技術で可能な範囲でスケールアップを検討します:

  • 量子ビットの増加: IBM Quantumの最新マシン(例:20〜50量子ビット)を使えば、より複雑なミニ世界が可能。
  • 進化ステップの拡張: 数百ステップまで進化させ、歴史の深みを増す。もつれや干渉が絡み合い、予測不能な展開が生まれます。
  • 現実との対比: このミニ世界が、現実の単純な初期条件から複雑な宇宙に至るプロセスを模倣しているか考察。

完全な「この世」は無理でも、独自の物理法則を持つミニ宇宙を作れる可能性があります。


ステップ7:完成と洞察 – この世の作り方と神の正体

ミニ世界が完成しました。手順をまとめると:

  1. 量子コンピュータで単純な初期状態を設定
  2. 自律的な進化を許容し、クラッシュも受け入れる
  3. 観測で結果を確定し、ミニ世界の歴史を定義

Grokとの対話で気づいたのは、このプロセスが現実の創造に似ている点です。

私たちの宇宙も、単純な初期状態から量子力学に従って進化した「系」かもしれない。そして、その「神」は全知全能ではなく、ルールを設定して放置した創造主にすぎない。観測者が結果を確定させる役割を持つなら、このミニ世界の開発者兼プレイヤーが「神」のモデルです。

祈りが叶うと感じるのは、量子的なランダム性が偶然一致した結果かもしれません。


結論:あなたの世界を創る

このチュートリアルで、量子力学を活用したミニ世界の作り方がわかりました。現在の技術でも、5〜10量子ビットで試せる実験です。

私たちの宇宙も、単純な初期状態から量子力学に従って進化した「系」かもしれない。そして、その「神」は全知全能ではなく、ルールを設定して放置した創造主にすぎない。観測者が結果を確定させる役割を持つなら、このミニ世界の開発者兼プレイヤーが「神」のモデルです。ミニ世界は、クラッシュ、外部観測者の死亡、電源オフによって終わりを迎える可能性があり、「神」の力が及ばない現実を映し出します。

あなたならどんな初期条件を設定し、どんなミニ世界を観察しますか?


最後に

私は物理なんて赤点しか取ったことのない男です。

でも、あれこれ空想するのは好きな方だと思います。自分の体の中に宇宙はあるし、この宇宙もまた誰かの体の中なんだと考えて気が遠くなる感覚が好きでした。なのでマトリックスには興奮しましたし、マトリョーシカを見ても興奮してしまいます。

そんな男がGrokとの会話で『この世』の作り方をまとめました。フィクションとして楽しんでもらえたらと思います。

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